まず、瓶内の二次発酵について説明します。
例えば、シャンパンが発泡性を持ったのは全く偶発的な出来事からだそう
です、フランスで甘口のワインとして造られた当時のシャンパンがイギリス等
に輸出された際、まだパスタリゼーション(熱殺菌)やミクロフィルターが無
かった当時、一旦瓶詰したシャンパンが再び発酵してその際に出来た炭酸ガス
が瓶の中に封じ込められ、今のような泡のたつワインが出来たのが始まりだそ
うです、今でもたまにドイツワインなどで、明らかに偶発的に瓶内二次発酵し
たものもありますが、とにかく炭酸のはいったワインの歴史はこうして始まり
ました。
それから、発泡性のものに人気があるという事が分かったシャンパーニュ
地方では、いろいろな工夫が施され、今のシャンパンの形式になったのです。
■現在のシャンパンの製法(いわゆるメソッド・オブ・シャンプノワもしく
は、メソッド・オブ・トラディショネール)
1-まず、シャンパンの元になるワインを造ります。これを業界用語で「ヴァ
ン・トランキル」(静かな葡萄酒)と呼びます。
2-この元になるワインに庶糖、ワインの古酒から作ったリキュール・ド・テ
ィラージュそして酵母をを加えます。この時、ワインの残糖を測定して、入れ
るリキュールの量を調整、炭酸ガスの発生をコントロールします。理想的な1
リットルあたり25gだそうです。こうして補糖を終えた原酒は瓶詰され、プラ
スチックの栓ついた王冠で封印します。
3-加えられた砂糖と酵母の働きで、瓶の中で再び酵母が活動しはじめ、炭酸
ガスとアルコールが出来ます。瓶は密閉されていますので、ガスは外に漏れる
ことなく、ワインの中に溶けていきます。これは、地下にある気温約10度に保
たれたセラーの中で行われ。3〜5年かけてじっくり発酵そしてその後も熟成さ
れます。
4-熟成が終わりに近づくと、ワインは微妙に角度が付けられた穴がいっぱあ
いた台に瓶が逆さまになるように、さしこまれ、毎日1/8づつ回転させられま
す。これは瓶の中にある酵母の死骸など澱を瓶の口に集めるためで、業界では
この作業を「ルミアージュ」といい数カ月に渡って続けられます。気の長い作
業です。
5-次は当然集めた澱を取り除く作業です。さて、どうやって取り除くのでし
ょう?
次回に続く!(うそです)
これは誰が考えたか知りませんがうまいことしてます、零下16〜17度の塩化
カリュウム水溶液に瓶の口をつけて口部分を澱ごとを凍らせてしまうのです。
それで、ポンッと抜くと見事、瓶の中の澱はきれいに取り去られてしまいま
す。これを業界用語で「デゴルジュマン」といいます。
6-こうして澱を抜き取られた原酒は甘みを調整するために再びリキュールが
加えられます。これを業界用語で「ドサージュ」と呼び、加えられるを門出の
リキュール「リキュール・デスクペンション」と呼びます。この時使われるリ
キュールは古酒、マール、コニャックと庶糖を混ぜたものですが、造り手によ
って使われるものは違うようです。
■ちなみにこうして調整された味の違いによってシャンパンは5つの表示で分
類されます。
1-ブリュット(Brut)・・・・・0.5%まで糖を加えたもの。
2-エクストラ・セック(Extra sec)・・・・・エクストラ・ドライともいい、
1〜2%まで当分を加えたもの。
3-セックまたはドライ(Sec/Dry)・・・・・3〜5%の糖分を加えたもの。
4-ドミ・セック(Demi sec)・・・・・6〜8%の糖分を加えたもの。
5-ドゥー(Doux)・・・・・8〜12%の糖分を加えたもの。
と、以上ですが、私は甘いシャンパンというのは当たったことがありません、
大概ブリュットですね。
しかし、こうして改めて見るとシャンパンというのは手間のかかるものです
少々高いからといって文句を言うとバチがあたりますね。