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日本一小さな酒蔵?

太陽酒造

　太陽酒造は明石の江井ケ島(島ではありません)にある本当に小さな古い酒蔵です。

　このあたりは昔は酒造りが盛んで、灘の大手蔵にお酒を買ってもらっていましたが、大手の酒蔵が巨大な自社蔵を建設してから発注がなくなり、自社ブランドを持っているこの太陽酒造と、「神鷹」の醸造元江井ケ島酒造さんだけが残りました。

　「一番大きいところと一番小さいうちが残った」と田中社長が感慨深そうに言っておりました。

　太陽酒造の酒造りを見ると江戸時代から続いている日本酒の酒造りの原点を見ることができます。

　釜で米を蒸して、木製の「槽」でお酒を搾る、昔からの造り方です。

　太陽酒造のお酒は飲むと、少しワイルドな感じがします。

　それは、社長に言わせると、少し野生酵母が入っているからだそうです。

　普通の酒蔵では、お酒の元になる「酒母」は大切に無菌室で育成されますが、太陽酒造の酒母は蔵の中に普通に置いています。空気中を漂う野生酵母も自由に出入りしています。

　こうした「自然派」とも言えるおおらかな造りが独特の野性的な味わいを造り出しているようです。

　最新のコンピューターを駆使して、酒造りをしている蔵があると思えば、こうした昔ながらの酒造りを継承している蔵もあります。

　どちらがいいとは言えませんが、どんどんと機械化が進む酒造りの世界の中でこうした昔ながらの酒造りをしている蔵元もあるのだということを知って欲しいですね。

　しかも、作り出すお酒はかなりレベルの高い良いお酒です。

　やはり、酒造りの原点は人であるということを再確認させてくれる蔵元であると思います。