ボルドー研究 -その2・葡萄編-

■カベルネ・ソーヴィニヨン
   ボルドーの最も代表的な品種といえば、この葡萄で、ボルドーの一般的
  な頑丈で力強いイメージを作り出している葡萄がカベルネ・ソーヴィニヨ
  ンです。

   カベルネ・ソーヴィニヨンは果皮が非常に分厚、非常に色素の多い葡萄
  ですので、出来たワインも濃い色のワインになる傾向があります。また、
  渋みも非常に強く、これが、この葡萄で造られるワインの長い寿命の源に
  なっています。
   香りとしては、ブラックベリーや杉(シーダー)の香りが出てくる傾向が
  あります。
   カベルネ・ソーヴィニヨンは軽くて水はけの良い砂利質の土壌に向いて
  いる葡萄品種ですので、河の上流で、砂利質の多いマルゴーで栽培比率が
  高く、逆に川下で粘土質のサン・テステフなどでは、少ない傾向がありま
  す。使われている地区としては、メドックを代表として、グラーブ地区、
  サンテミリオン地区でも多く使われています。

   ボルドー以外で、最近、チリやカリフォルニアなど新世界ワインとして
  も流行しています、ブルゴーニュの主要品種であるピノ・ノワールに比べ
  て比較的栽培が容易で、どの地域でもそれなりに美味しいワインができる
  事からあちこちで使われるようになったようですが、暖かい地方カベルネ
  はボルドーに比べて、甘く、飲みやすい性質になっていて、より早く飲む
  事ができる傾向があります。

■メルロー
   しなやかで丸みがあり、アルコール度数の高いワインが出来上がる葡萄
  です、ボルドーではほとんどのシャトーが栽培していてます。

   メルローを主体として造ったワインはカベルネ・ソーヴィニヨン主体の
  ものと比べて早く熟成する傾向があります。カベルネ・ソーヴィニヨンの
  堅すぎる酒質を柔らかくする事ができるので、カベルネ主体のシャトーで
  も必ず植えられている葡萄です。


■カベルネ・フラン
   カベルネ・ソーヴィニヨンと親戚関係にあり、サン・テミリオンやポム
  ロールではプーシェと呼ばれている。

   カベルネ・フランは、スパイシーな、ミントのや草のような独特のアロ
  マを持っていて、ブレンドする事により、ワインにより複雑なフレーバー
  を加える事ができる。


■プティ・ヴェルド
   今ではブレンド品種として使われている葡萄で、熟するのがとても遅い
  ため、充分に熟したプティ・ヴェルドを収穫できるのは希な事です。
   一般に濃い色と強いタンニン、高い糖度を提供するので、メルロー主体
  のブレンドにスパイスのような使い方で加えられる事が多く、メドック地
  区以外では今はごくわずかしか栽培されていません。


■マルベック
   今はほとんど使われる事がなくなり、今ではほとんど人気のある葡萄に
  植え替えられつつある葡萄でする


☆白ワイン用ぶどう

□ソーヴィニヨン・ブラン
   グラーブの辛口白ワインやソーテルヌ・バルサックの甘口ワインを作り
  出している品種で、非常に爽やかな酸を持ち出来上がったワインにはっき
  りした特徴を残します、ほとんどの場合、ボルドーではセミヨンとブレン
  ドして使われます。
   他の地方では、ロワールなどでよく使われている品種です。

□セミヨン
   貴腐ワインを造るのに書かせない葡萄です、その訳は貴腐を引き起こす
  「ボトリティスシネリア」と呼ばれるカビをとても受け付けやすい性質を
  持っているからです。寝かせるにつれて、重みや粘性を持つので、ソーテ
  ルヌやバルサック等の貴腐ワインの有名産地では、セミヨンの比率は他の
  ボルドーの地区に比べて高くなっています。

□ミュスカデル
   非常に病気にかかりやすい弱い品種なので、栽培量は少ないのですが 
 、出来上がったワインは、香水のように強い花の香りを持つワインが出来 
 上がります。