日本酒の発泡

発泡性の日本酒について

 ワインの世界と違い日本酒にはほとんど発泡性のものはありません。
 例外的に、月の桂 にごり酒や、白雪 「雪しずれ」、上喜元「酒和地」やその他少数の蔵元で、細々とつくられている状況で、製法も瓶内で二次発酵するのではなく、発酵時のガスをそのまま封じ込めて瓶詰するという方式で、シャンパンのような勢いの良い泡は望めません。
 にごり酒系のものは二次発酵というよりも、発酵途中のもろみを封入するという方が正しく、確かに発泡性は強くなるのですが、必ず冷蔵が必要で、発泡のコントロールも難しいため、栓に安全弁をつけて、対策しています。

 日本酒ではシャンパンのような瓶内二次発酵の発泡性の酒はできないのでしょうか?

 まず、問題として、日本酒の場合、ワインに比べてアルコール度数がかなり高いというのがネックになります。
 ワインではせいぜい12-13%ですが、日本酒の場合、原酒は20度ちかくまで度数が上がります、これを割水で調整して15-16度で出荷します。

 とすれば、一旦発酵の終わった日本酒をボトルに詰め、加水してアルコール度数をワイン並の12-3度まで落とし、砂糖を加えて密閉し、二次発酵をさせれば、かなりのガスを期待する事ができるかもしれません。
 無濾過であれば、休眠状態の酵母が入っているので、そのまま使えるでしょうし、ガスの圧力は加える砂糖の量によって調整する事が可能です。

 問題は加糖をすると、純米や吟醸などの特定名称が名乗れなくなりますが、これはこういうカテゴリーのものとして納得してもらうか、もしくは、別に甘酒を作っておき、これを濾過したものを加えるという手段も考えられますが、これが税法上、どのような位置に分類されるかは分かりません。

 とりあえず実験的にこのプロセスで二次発酵をやってみます。
 無濾過の原酒を加水、度数計算とティスティングしながら、味のバランスとアルコール度数の兼ね合いを見つけました。
 ここに今回は上白糖を加え、寝かせます。
 冷蔵庫では温度が下がり過ぎてね二次発酵しないと考えられますので、12-13度の温度を保つ場所、すなわちワインセラーで静かに発酵を待ちます。
 さて、どういう結果になるでしょうか、実験結果はまた追ってご連絡する事にします。