お燗の仕方と種類 ○歴史と理論 いよいよお燗の季節になってきましたね、 そこで、今回はお燗の種類と適したお酒について書いていこうと思います。 日本酒は冷やしても、常温でも、また温めても美味しくいただける世界でも珍しいお 酒です。 なかでも温める飲み方は日本の風土に生まれた独特の食文化です。 お燗の習慣は江戸時代中期以降一般的になり、今日まで続いています。 冬の寒い時期、お燗はからだを温める効果のほか、お酒の味をまろやかにしますし、 食中酒として温かい燗酒を飲むことは胃にやさしい飲み方です。 お燗をしてなぜ日本酒が美味しくなるかは、日本酒に含まれる酸の性質の為です、日 本酒は醸造の段階で乳酸を必要とするお酒です、したがって出来上がったお酒にも乳酸 が豊富にふくまれています、この乳酸は「温旨酸」という系統の酸で、比較的高い温度 で旨味を感じさせる酸なのです、この為日本酒のお燗は美味しいのです。 ○実技編 お燗のおいしさは、温度で決まります。 一般的には「人肌燗」〜「上燗」が美味しいとされています。 熟成したコクのあるお酒は、お燗により一層ふくよかな旨味が増します。 今、お燗がおいしい。 お燗の温度と日本酒のタイプ ┌───────┬───┬───┬───┬───┐ │ │大吟醸│ 吟醸 │ 純米 │本醸造│ ├───────┼───┼───┼───┼───┤ │熱燗50-55度 │ │ │ │ ○ │ ├───────┼───┼───┼───┼───┤ │上燗45-50度 │ │ │ ○ │ ○ │ ├───────┼───┼───┼───┼───┤ │ぬる燗40-45度 │ │ ○ │ ○ │ ○ │ ├───────┼───┼───┼───┼───┤ │人肌燗35-40度 │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ └───────┴───┴───┴───┴───┘ 日本酒のタイプによって美味しく飲める温度があります。 熱すぎるお燗はお酒の味と香りのバランスを崩してしまうので、ご注意ください。 また、お燗をして美味しくなる酒の事を「燗上がりがする酒」といいます。 また、本醸造はオールマイティでも一番美味しい温度がお酒によって違います、例え ば当店のお付き合いの酒蔵のお酒では緑川正宗などは上燗から熱燗が美味しいし、大黒 正宗や浜福鶴、剣菱などはぬる燗から人肌燗ぐらいの方が美味しいように思います。 みなさんも1本のお酒で、いろいろ温度を変えて試してみて、一番美味しい温度を探し てみるのも楽しいものです。 |